ニューパナメーラのシャシーコンポーネントと制御システムのさらなる進化は、シャシーの快適性とコーナリングの安定性にもプラス効果をもたしています。例えば、ポルシェアクティブサスペンションマネージメントシステム(PASM)の改善により、減衰の快適性が著しく向上しました。また、48Vシステムを用いたロール安定制御システムのポルシェダイナミックシャシーコントロールシステムスポーツ(PDCC Sport)を採用したことで、ボディの安定性が向上しています。グリップとトラクションも強められています。さらに、新世代のステアリングには911カレラとタイカンに由来するアプリケーションが組み込まれたため、操舵へのレスポンスが向上したほか、ドライバーへのフィードバックが増えたことで精度とダイレクト感がいっそう高まりました。この結果、ニューパナメーラはドライビングの快適性が大幅に向上したにもかかわらず、性能に関するベンチマークをこのセグメントで再び打ち立てています。
とりわけ、3チェンバーエアサスペンション、PASM、ポルシェ トルクベクトリング プラス(PTV Plus)を含むPDCC Sportについては、このモデルのための独自改良を重ね、さらなる最適化が施してあります。これによりニューパナメーラターボSでは、820Nmという巨大な最大トルクを路面に伝達させるとともに、最大限のコーナリング性能を生み出されるようになりました。このようにして前後方向と横方向のダイナミクスが改善されたことは、パナメーラがプレミアムクラスで最もスポーティなサルーンであることを強調するものです。
新しいデザインのタイヤとホイール
タイヤがハンドリングに大きな影響を与えることを踏まえ、ポルシェではシャシーの開発にあたって、常にタイヤを重要視しています。ニューパナメーラでは、新世代の改良型タイヤを採用しました。20インチと21インチの新しいサマータイヤは、快適性とスポーツ性が向上していると同時に、転がり抵抗が低減しています。
より柔らかいラバーコンパウンドを使用するとともにトレッドを最適化したスポーツタイヤが、パナメーラ用として初めて特別に開発されました。このタイヤは横方向の性能が向上しており、スポーティなコーナリングに最適です。
ホイールデザインは、20インチホイールと2種類の21インチホイールが新たに登場したことで、合計10種類が用意されています。なかでも、エクスクルーシブデザイン 21インチ アロイホイールには、明るいポリッシュ仕上げの部分、塗装仕上げのリムベース、カラークレスト ホイールセンターキャップが備わります。また、最新世代のマルチファンクションステアリングホイールが採用されています。そのカットアウトされフォルムは、レーシングカーにみられる軽量ステアリングホイールを連想させます。
ブレーキの最適化による最高の減速性能
エンジン出力の増大にあわせ、シャシーの開発担当者は、ニューパナメーラのブレーキの設計を一新することに意をそそぎ、サイズを調整しました。
例えば、ニューパナメーラターボSには、サーキットで実証済みのシステムであるポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)が標準装備されることになりました。ブレーキディスク径は、フロントが420mm、リアが410mmです。
PCCBブレーキキャリパーには、イエローの塗装仕上げが施されます。GTSモデルに備わるのは、従来からあるレッドのキャリパーです。GTSとターボSでは、新しいオプションとして、ブラックのブレーキキャリパーも用意されています。また、パナメーラ4S E-ハイブリッドにはアシッドグリーンのブレーキキャリパーが装着され、 パナメーラとパナメーラ4にはブラックのキャリパーが装着されます。