ニューポルシェ パナメーラは、パワフルで効率的な駆動システムを備えていることから、4ドアスポーツカーとしての魅力がこれまで以上に高まっています。パナメーラ ターボSなどのニューモデルは、クラストップの性能を有していることを十分に納得させる仕上がりです。さらにポルシェは、パワフルなプラグインハイブリッドモデルとして、ニューパナメーラ4S E-ハイブリッドを発表します(詳細は「E-パフォーマンス」のセクションをご覧ください)。
ニューパナメーラとパナメーラ4には、世界中で知られている、2.9リッターV6ツインターボエンジンが搭載されており、 先代モデルと同様、243kW(330PS)の最高出力と450N・mの最大トルクを発生します。ニューパナメーラモデルのエンジンは、どれもEuro 6d-ISC-FCMの排出ガス規制に準拠しています。
自然吸気エンジンの特徴を備えたパナメーラGTS
ポルシェは、パナメーラGTSの4リッターV8ツインターボエンジンを最適化する際、 エンジンのパワーを大幅に引き上げつつ、GTS特有のエモーショナルなドライビング体験を味わえるようにするという、2つの具体的な目標を掲げました。
ニューパナメーラGTSは、先代モデルの値を15kW(20PS)上回る353kW(480PS)の最高出力と、620N・mにおよぶ最大トルクを発生します。しかし、純粋主義のドライバーが最も重視すると思われるのは、パワーの立ち上がりに関する特性です。従来の自然吸気エンジンを彷彿とさせるリニアな出力特性を備えていることから、 エンジンの出力は、最高回転数に達するまで連続的に増大します。
高回転域におけるトルクの落ち込みが大きく抑えられているため、5,500rpmを超えても出力が増大していく様子を明確に感じ取ることができます。新たなチューニングの結果であるこのトルク特性においては、中回転域でパワーが安定的に立ち上がります。つまり、かつては自然吸気エンジンのものであった、純粋なスポーツカー特有のリニアなパワー伝達が実現しているのです。
ニューパナメーラGTSは、標準装備のスポーツエグゾーストシステムによって、ひときわエモーショナルなサウンドを奏でます。非対称レイアウトのリアサイレンサーは、エグゾーストパイプにおけるノイズリダクションの増加を抑えるとともに、V8の点火順序が引き起こすサウンドの歪みを解消します。スポーツエグゾーストシステムは、サウンドの発生に使用される特定の排ガスパルスをサポートするとともに、特徴的なV8サウンドをより細かくチューニングします。
ニューパナメーラGTSモデルの力強さは、最高出力が353kW(480PS)にアップしたこと、自然吸気エンジンのトルク特性を獲得したこと、そして、他と聞き紛うことのないV8サウンドを奏でることによって強調されています。これらの要因はそれぞれが相まって、いっそうエモーショナルなドライビング体験を演出します。スポーツ・プラスモードを選択すると、0-100km/h加速では先代モデルのタイムを0.2秒上回る3.9秒をマークし、最高速度は300km/hに達します。
改良型の4リッターV8ツインターボエンジンを搭載するニューターボS
名高い4リッターV8ツインターボエンジンは、パナメーラ ターボSのエンジンを開発する際のベースになったエンジンであり、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、タイミングチェーンドライブ、ねじり振動ダンパーなど、クランクシャフトのドライブ系全体が根本的に最適化されました。これらのコンポーネントは、ダイナミック性能を向上させて、負荷ピークを高めるように設計されています。
新しいフューエルインジェクターは、250barの最大噴射圧に変化はないものの、その値での流量率がアップしており、使用する燃料のグレードが異なっても出力特性に悪影響をおよぼしません。タービンのレイアウトを変更して最適化を図ったターボチャージャーは、回転数あたりの給気効率がアップしているため、より大きな出力を発生させることが可能です。電極のプラチナ含有量を増やしたスパークプラグは、耐久性と堅牢性がひときわ改善されています。10.1:1から9.7:1に減少した圧縮比も、ノッキング(高温の混合気が車両側の制御に関係なく自己着火してしまうこと)の発生を抑制します。
このような対策を行った結果、ターボSは463kW(630PS)の最高出力と820N・mの最大トルクを発生し、0-100km/h加速において3.1秒のタイムを叩き出すマークするまでになりました。最高速度も315km/hに達します。
GTSの新しいスポーツエグゾーストシステムが、パナメーラ ターボSにもオプションで用意されています。非対称レイアウトのリアサイレンサーを装備し、とりわけ印象的なV8サウンドを発生させるシステムです。
効率を高めるために改善されたコースティング機能
8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)のコースティング機能も改善されました。このコースティング機能は、従来のモデルですでに採用されている機能であり、ノーマルのドライビングモードで作動します。走行中、システムは車両の前方およびフロントレーダーとフロントカメラのデータをモニターすることにより、それぞれのオーバーランフェーズにおいて、エンジンの駆動力を伝達させないコースティングと、オーバーランモードを維持し続けることのどちらが効率的であるかを判断します。前方に別の走行車両がある場合は、オーバーランモードにおいて燃料を噴射する必要がないことと、エンジンのドラッグトルクによってブレーキ操作の必要性が少なくなることから、後者を選択することにメリットが生じる可能性もあります。
コースティング機能のインテリジェントな制御をこのように進化させたことから、車両の効率性が向上しました。さらに、コースティング機能は、ブレーキ、アクセル、パドルシフトを頻繁に操作するなどして中断させる必要がないため、走行快適性も改善されます。