ニュー911GTSに搭載されている3リッター6気筒ボクサーエンジンは、先代モデルおよび現行の911カレラSよりも22 kW(30 PS)高い353 kW(480 PS)の最大出力を発揮し、最大トルクも20 Nm増加して570 Nmに達します。8速ポルシェ ドッペルクップルング(PDK)搭載の911カレラ4 GTSクーペでは、0~100 km/hをわずか3.3秒で加速。先代モデルよりも0.3秒速くなっています。総合的に、ニュー911 GTS世代はこれまでにないパワーと走行ダイナミクスを備えています。
パフォーマンスを重視したハイテクエンジン
兄弟モデルと同様、911 GTSのリアには最新世代の6気筒ボクサーエンジンが搭載されています。パフォーマンス、レスポンス、効率を重視して設計されているハイテクエンジンには、以下の主な特徴があります。
- 左右対称に配置された2基のターボチャージャー。コンプレッサーホイールとタービンホイールは、エンジンに対して逆に配置されているため、反対方向に回転します。
- 電気式ウエストゲートバルブ。ステッピングモーターによる調整により、チャージ圧を非常にスピーディかつ精密に制御できます。最大チャージ圧は、911 GTSで約1.3 barです。
- 2基のインタークーラー。これらはエンジン上方のリアリッドグリルの下に配置されています。
- ピエゾインジェクションバルブ。開閉プロセスが極めて高速なため、直噴量を1作業サイクルあたり最大5回に分けて噴射できます。最大200 barの高いシステムプレッシャーレベルにより、燃料は非常に微細な液滴となって燃焼室に配分されます。
- 可変バルブ制御システムVarioCam-Plus部分負荷モードでは、1つのシリンダーの隣り合う2つのバルブが異なるストロークで開きます。この非対称的なバルブストロークが混合気形成の際に有利に働き、燃料消費と排出量を低下させます。さらに多くのエンジン出力を呼び出す場合に、フルストロークに切り替えると、シリンダーの2つのインテークバルブは平行なストロークで開きます。 -10.2:1の圧縮比ターボエンジンのこの高い比率により、エンジンの優れたレスポンスを維持しながら出力を顕著に上昇させることができます。
- 911 GTSエンジンの高いトルクに合わせて調整された強化デュアルマスフライホイール(ZMS)。
短縮されたシフトレバーによる迅速なシフトチェンジ
911の最新世代用に8速ポルシェ ドッペルクップルング(PDK)が新たに開発されました。先代のPDKと比較すると、ギア比はより調和的に推移します。効率アップのため、シフトプロセスとクラッチプロセスのために必要なオイル圧をオイルポンプが必要に応じて制御します。これにより、改良型摩擦調整剤と併用することでトランスミッションの出力損失が軽減されます。
すべての911 GTSで、PDKの代わりに、シフトストロークの非常に短い7速マニュアルトランスミッションが装備可能です。他の911モデルよりもシフトレバーが10 mm短くなったことにより、非常に握りやすくなり、ギアチェンジが運転をより楽しいものにしてくれます。
エモーショナルなサウンド体験
標準装備のスポーツエグゾーストシステムは、GTS固有のデータセットとインテリア防音材の部分的省略により、よりエモーショナルなサウンド体験を提供します。ツインフローエグゾーストシステムには、マップ制御式の、完全に可変調整可能な排気フラップが取り付けられています。この制御により、最適な動力展開およびエモーショナルなサウンドを可能にします。バルブのスイッチは電動でステッピングモーターを介して行われます。これにより、中間位置も設定可能です。
スポーツクロノパッケージとスポーツレスポンスボタン
911 GTSにはスポーツクロノパッケージが標準装備され、ドライビングパフォーマンスがさらに向上したため、運転を一層楽しむことができます。GTスポーツステアリングホイールのモードスイッチの中央に、スポーツレスポンスボタンがあります。ドライバーがこのボタンを押すとエンジンとトランスミッションの最大パフォーマンスを20秒間発揮します。ドライビングモードは、ステアリングホイールのモードスイッチで切り替えます。作動中のモードはメーターパネルに表示されます。
スポーツクロノパッケージのその他のコンポーネントには、ダナミックエンジンマウント、ポルシェ スタビリティマネージメントシステムの個別切替え可能なPSMスポーツモード、ストップウォッチ、ポルシェ トラックプレシジョンアプリがあります。
標準設定でスポーツモードに割り当てられているマニュアルトランスミッションのダブルクラッチ機能は、必要に応じてオフにすることができるようになりました。